ブラック企業撲滅のために提言したいこと

どうもこんばんは!英司です。
最近、けっこうちゃんと更新しています(笑)。ほぼほぼ放置状態だった昨年のこの時期とは大違い。

そんなわけで、今日のテーマから。


■働くことは、人生で大きなテーマの一つ

働くということは、無尽蔵に不労所得が得られるごくごく一部の人以外にとっては、人生における大きなテーマの一つになると思います。

好きな仕事に就ける人もいれば、そうでない人もいるし、好きな仕事に就いたけど離れてしまう人、逆にそこまでの期待感がなく就いた仕事だったけど案外面白くて長く続けられている人。学生の時に想像していた自分の好きなこと、得意だと思っていたことが実は違かったり、その逆で、昔はこんなことに興味を持つとは思ってもいなかったことに、案外没頭して取り組む場面が来たりと、世の中に出るといろんな体験をするものだと思います。

ただ、残念なことに世の中にはブラック企業と呼ばれる会社もあり、求人票には書かれていない法に触れるような危ない商売を裏でやっていたり、過労死が出るほどの極端な長時間労働が強いられる職場があるのも事実です。

こうした職場の餌食になってしまうのは大概の場合20代の未来ある若者であることが多く、これから社会経験を積んで将来的にはより高い付加価値を生み出すはずの若者が食いつぶされている現状は、後々国や社会の衰退の一因にもなりえるということで、最近になって政府も動き始めたようです。


■しかし…本質的な解決にはなっていない?

ただ、国もブラック企業はけしからん!という掛け声だけは威勢が良いものの、実際に実施された施策は求人票への離職率の表記くらいのもの。しかもこれも厳格な義務付けではなく、努力目標程度のもので非公開企業へのペナルティなどはありません。

ただ、僕個人的にはこの離職率公開制度は、あまりこの問題の本質的な解決にはなっていないと考えています。なぜなら、離職率の高さとブラック企業であることの強力な相関関係は確認されていませんし、業界や業種によって平均的な離職率はまちまちだからです。

実際、ガスや電力などと言ったインフラの会社にいる人は、同業他社も少ない上に、独立開業なんてことはなかなかないと思いますが、飲食業やデザイン、広告業、ITエンジニアなんかの場合は独立したり個人事業主になったり、数ある同業他社へ転職したりということがかなり頻繁にある業界・業種ですので、自ずと離職率も高くなりがちです。離職する人の中には、確かに心身の健康が害されて辞める人もいますが、そうではなくてただ単純に独立する人、そこまで深刻ではないけどなんとなく環境を変えたくて自分の意志で転職する人なども多く含まれており、業界や業種のバックグラウンドを無視して数字だけを単純比較したデータには、そこまでの有効な情報は含まれていないのではないかと思います。

じゃあ、ブラック企業を撲滅するための施策として最も手っ取り早い施策とは、一体なんでしょうか、それはズバリ…


労働組合の解散!!


だと思います。
(敢えて言っておきますが、これは僕が考える方向性をわかりやすくするために敢えてめちゃくちゃな極論を提示しています。ご了承くださいませ)


■労組の解散こそブラック企業従業員を救う

「労働組合って、そもそも労働者の権利向上のためのものなのに、なんでそれを解散させることがブラック企業撲滅になるの?むしろ逆じゃないの?」という声が聞こえてきそうです。

確かに労組の本来的な役割は労働者の権利向上のためのものですが、僕が言いたいのは、現在各企業にある労組は、本来最も守られるべき人たちを守っていないということを強調しておきたいのです。

社内に労働組合が存在する会社は、おそらく日本企業の中でも伝統があり、それなりの大企業以上の会社であることがほとんどでしょう。特に、自社の工場などと言った生産施設を持つ、もしくはかつて持っていた組織が多く、いわゆる一流企業とか、大手企業とか言われる会社群に分類される企業だと思います。

そういった会社の労働組合を構成するのは、その会社の従業員で、なおかつ新卒プロパーで入った正社員のみで構成されている場合がほとんどです。

これが半世紀前であれば、身寄りのないまま金の卵世代として田舎から単身出てきた若い労働者が、自分たちの権利を守るためにこうした組織を結成したのは理解できます。

ただ、会社のほとんどが生産部門(工場等)で、会社の構成員のほとんどが単純労働者だった時代から半世紀が経過しました。現在ではほとんどの企業が生産拠点を海外に移転し、日本国内に残っている会社機能は営業部門や管理部門、研究開発部門などと言ったいわゆるホワイトカラーの従業員が働く部門のみとなっています。

また、90年代からは派遣社員や契約社員などと言った非正規雇用での労働形態も増加し続けており、こうした外部環境の変化により、「大手企業の正社員」という立場が、相対的に必ずしも弱い立場の労働者ではなくなっています。

よく言われる通り、超大手企業に務める方々の給与や福利厚生は大変手厚く、また、中小ベンチャー企業のように、成果が出せなかったら即クビ!なんてこともありません。その人の生み出す付加価値の多寡に関係なく年齢に応じた給与が保証されており、一人ひとりにかける人件費は中小企業のそれとは比較にならないほどです。

一方、ブラック企業と呼ばれる会社とは、どんな会社でしょうか。
冒頭でも申し上げた通り、異常な長時間労働を強いられる上、残業代などがまともに支払われないことがほとんど。まさに低賃金・重労働。その上、大手企業のように労働組合なんていうものもなく、成果が出せなければ簡単にクビになるし、心身の健康を崩して長期間休もうものなら、もう新しい人が入っていて自分の机がないなんてこともザラです。

ただ、こうした企業の経営者を一概に悪者に仕立て上げ、見せしめのように処罰するようなやり方では、なかなか問題の解決にはならないと思います。

いや、もちろん社員に働かせるだけ働かせて、自分や自分の家族だけは贅沢三昧しているとかならもちろんそんな経営者はダメだし、しかるべき制裁を受けても文句は言えないと思いますが、そういった人はむしろ一部の極端な例で、ほとんど多くの経営者は、ギリギリのところで会社を切り盛りし、経営者自らがプレイヤーとして営業にもエンジニアにも総務にもなり、何役もこなしてやっと従業員に給与を支払っているような場合がほとんどのように見受けられます。

ではなぜこうしたブラック企業が後を絶たないのか、それは結局、大企業偏重の日本の製造業やIT業界の業界構造そのものがブラック企業を生み出しているからではないでしょうか。

いわゆるブラック企業と呼ばれる会社は、誰も望んでいないのになぜ人件費を極限までカットして、環境の悪いオフィスで長時間労働をしているのか。それを考えたらこの理由がわかると思います。

つまりそれは、元請けの大企業から仕事を受注する際、理不尽な値下げ要請をされているためで、本来であれば従業員を新たに雇わなければならないところを既存の人員で賄わなければまともな利益が出なかったり、本来であれば支払わなければならない残業代を支払ってしまうと、会社として赤字になってしまう、などと言った現象があちこちで起きているのが今の日本の現状なのではないでしょうか。

そしてここで言う「元請け企業」というのは、多くの場合きちんとした労働組合があり、そこで正社員として働く人たちは簡単にクビになることはなく、手厚い保護を受けている超大手企業であることがほとんどです。

新聞では、大手企業の労働組合が春闘で賃金のベースアップを勝ち取ったなんて話題が、まるで好景気の象徴であるかのように取り上げられますが、あれなんかは製造業やIT業界で、下請けや孫請けの仕事が多い会社に勤める人なんかからしたらもう戦々恐々もののようです。

元請け企業の従業員の給与が上がったとなると、当然元請け企業は今度は原価調整を行います。
つまり従業員の給与がアップした分の穴をどこかで埋めなくてはならず、その穴埋めとして今度は当然「コストカット」に走ることになります。どこでそのコストカットを行うかというと、もう当然それは下請けの会社に泣いてもらうのが一番手っ取り早い。理不尽な値下げ要請に出るわけです。下請けは下請けで、大企業からの安定的な受注がなくなるのを恐れ(というか、大企業の側がこの条件を飲まないともう仕事をやらない的なことをチラつかせる)、その仕事を受注したらとんでもない環境になることをわかっていながらも受注してしまう。

そんな構造があり、これが下請け、孫請け、ひ孫請け企業にまで伝搬。
つまり、大手企業で手厚い保護を受ける正社員の人件費のために、下請け企業の従業員たちが涙を飲んでいる、というのがブラック企業の真実なのだと思います。

ここまで来たら、もう僕が最初に提案した「労組を解散せよ!」の意味がわかっていただけたかと思います。

世界に名高い日本製品ですが、実は日本製品の国際競争力は、こうした歪な業界構造によって支えられている現状があります。
(今、国際市場ではかつて日本製品が築いた地位を韓国勢がどんどん奪っていっていますが、韓国企業も日本のマネをしているどころか、日本よりはるかに過酷な下請け泣かせをやっており、韓国の若者の経済的格差はかなり深刻なものだと聞いています)

ただここで、じゃあ一概に大企業は悪者!とか、中小企業はもっと守られるべきだ!とか、ブラック企業に勤める人たちの給与を一律的に上げろ!と言いたいわけではありません。

結論として、もうこの社会は、新卒一括採用とか、年齢に応じた同一水準の賃金とか、そういうのをやめた方が良い。ちゃんと、その人の生み出した付加価値の多寡に応じた賃金を支払う仕組みにすれば良い。実はとてもシンプルなことだと思います。

よく、格差社会とか言われて、格差があることはいけないこと、という風に言う人がいます。それに対抗する勢力として、いや、格差は悪いものじゃない!競争心を駆り立てる良いものだ!と主張する人が出てきます。

僕自身、どちらの立場と聞かれると、正直どちらでもあるし、どちらでもない、としか答えようがありません。

大企業の従業員がそれなりの給与をもらうことは、ある程度なら理にかなっていることだと思います。なぜなら、それだけ大きな額を動かす立場にあり、大企業の意思決定は中小企業のそれに比べて生み出す利益の額が大きいわけですので、その意思決定に携わった人間が、それに応じた報酬をもらうのは当然のことと考えます。

ただ、同じ大企業にいてもそういった意志決定への関与がまったくない人、生み出している利益、付加価値の規模がまったく違う人まで、同じ会社の同期入社は同一水準の賃金、という仕組みはやっぱり不自然な気がします。新卒一括採用、年齢に応じた賃金水準の保証…こうした仕組みを採用している会社は、ほとんどがこうした労組を持つような大手企業です。

しかし一方で、いわゆるブラック企業とまではいかなくとも、中小規模の下請け会社の中で若くして経営の意思決定に携わっている社員は多くいます。会社の規模自体が小さければ小さいほど、経営層と一般従業員や若手との距離も近く、会社の方針を決める意思決定に関与する年齢もグッと下がってきます。

その意思決定やその人の働きで生み出される付加価値は、おそらく大手企業で意思決定への関与がない人、扱う商材の額が小さい人よりもはるかに大きなものになると思います。それなのに、元請けの大企業で働く手厚い保護を受けた人と、下請けで高付加価値な仕事をしている人との間で労働対賃金の格差が発生している。一言に格差と言っても、僕はここの部分に発生している労働対賃金の不均衡、「付加価値格差」が最大の問題であり、ブラック企業問題の根本的な原因だと考えています。

なので、大企業という井の中で、一律的な賃金アップを訴え続ける労働組合というのは、こうした根本的な矛盾の解決にはまったく役に立たないどころか、むしろこの矛盾を助長させているものに見えます。

そもそも、ブラック企業を撲滅させることは絶対に大事なことだと思います。これから社会経験を積んで、次の社会を担う労働力が食いつぶされるのは長期的に見れば大変な損害ですし、何より、誰もが人間らしい生活を送れるようになるべきです。

それにはやはり、「公平な競争」が必要なのではないかと。

公平という言葉とよく一緒に使われる言葉に、平等というものがあります。そして、この「平等」の中にも、「結果の平等」と「機会の平等」という考え方があり、この両者はよく混同されがちですが、実はまったく正反対の概念だと思います。

高付加価値を提供している人には、勤める企業の規模や年齢にかかわらずそれに見合った賃金を支払い、かと言ってその地位が権威化、固定化しないよう、常に誰もが意志さえあれば高いスキルを見につけ、新しいポジションを狙うことができる「機会の平等」が担保された社会こそが、「公平な競争」が行われている社会、といえると思います。

ブラック企業問題を論じるとき、

「ブラック企業はいけない。行き過ぎた競争のせいでこうなった!ブラック企業の経営者と大企業を一律的に弾劾し、みんな平等に!!」

というちょっと左っぽい意見を言う人と

「日本の国際競争力のためにはブラック企業の存在は仕方ない。ブラックが嫌なら個人の努力だけでその環境から抜けだせ!」

というネオリベ的な自己責任論の2項対立に終始しがちですが、やはりどちらの論調にも肌理の細かさが足りないな、と、常々感じていました。

ブラック企業撲滅のための労組の撤廃、そして格差是正のための公平な競争原理の導入。
一見矛盾する概念の同居というこの2点を提言して、本日のエントリとしたいと思います。

最後までお付き合いいただき、どうもありがとうございました。


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いらっしゃいませ!英司と申します。中央線カルチャーが好きで、東京・高円寺に在住の会社員。日々感じたことから、少し役立つ(?)情報まで、いろいろ発信していければと思います。

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