アイデンティティの優先順位

どうも、英司です。
少し遅くなりましたが、2月6日に誕生日を迎え、無事29歳を迎えることができました。

誕生日前日~当日またぎや直後の週末の9日に、友人たちからささやかなパーティをやっていただきまして、それで終わったかと思い完全に油断していた15日。友達と3人で飲むという約束をしていて中目黒のバーに約束の時間に行ったところ、なんとまぁ!!店に入ったら大勢の友人たちが待ち構えておりまして、一気にクラッカーが鳴り響きました!俗に言うサプライズパーティってヤツですね。ここまで大がかりなの初めてだったんで、本当にものすごくビックリしました!!けど嬉しかった~。

1656170_724704040907720_770573835_n.jpg


本当に、感謝感謝です・感涙。
こんなわたくしですが、新しい1年もどうぞよろしくお願いします。



■アイデンティティの優先順位

今日はまた少しセクシュアリティのお話しを。

ゲイコミュニティ向けのポータル情報サイト『2chopo』に掲載されていた、牧村朝子さんの以下の記事がとても秀逸だったので、ご紹介したいと思います。


『第34回 あなたは虹色の旗で誰かをぶん殴ってはいませんか?』
http://www.2chopo.com/article/700/


こういったジャンルの記事の中でも、セクシュアルマイノリティの中の多様性にまで配慮している大変良い記事だったと思います。

僕は遠い過去に、自身もゲイリブ業界にいたと前回の日記で書きましたが、実際この記事に書かれているような言い方は、割とゲイリブ系の人に多い言い方だと思いました。
特に恋愛至上主義の押しつけへの懸念を表明されている部分に関しては、非常に共感しました。


ノンケ社会の中には、適齢期が来れば結婚して、数年すれば子どもを作って家庭を築く人もいれば、結婚しても子どもは作らない人、結婚に興味がない人、事実婚を選択している人、週末婚をしている人など、現代人のライフスタイルは実に多種多様です。

一方、ゲイの中にも同性の恋人がいて1つ屋根の下で暮らしている人たちもいれば、恋人がいても同棲には抵抗がある人、一人でのんびりと気楽に生きて行きたい人、そもそも恋人作りに興味すらない人、単純に探してるけど出会いがない人等々…ゲイ業界に出てきて9年も経てばいろんな人との出会いの中で、ライフスタイルや恋愛に対する価値観は本当に人ぞれぞれだなぁと感じさせられます。

ただ一方で、同性同士のパートナーシップ制度や同性婚を積極的に訴えかける政治的な運動をしているゲイリブ系の人の中には、「周囲にゲイであることをカミングアウトして、同性一対のカップルとして男女の夫婦のような生活を送ることこそが善きゲイの生き方だ」と信じて疑わない人も少なくない印象です。

もちろん、人の価値観はそれぞれですので、当人がそう考えているのであれば好きな人と一緒に暮らして、日本で同性間の婚姻制度が確立されたら婚姻届を出す約束などでもしておけば良いと思います。日本はイスラム圏みたくゲイであることを根拠に殺されたり罰せられたりするわけではないですから、カミングアウトだってする自由はあって、当人たちがしたいのであれば、自由にしてみれば良いと思います。それで幸せになれるのならば、十分素晴らしいことだと思います。

ただ、それを人に強要してくるのであれば、話は変わってきます。

以前のブログにも書いたかもしれませんが、「男女一対の結婚したカップル以外を認めない今の日本はおかしい!」と叫んだあるゲイリブの方がその同じ口で、まったく無意識的に平然と「同性結婚制度がある国で、結婚していないゲイはおかしい」などと言えてしまう人などもいて、なんともズッコケてしまう話です(笑)。

こうして、ノンケの一般社会には自分たちのことを認めるように激しく要求するのに、彼らの考える「善きゲイの生き方」から外れるゲイのことは認めない、もっと悪い場合、彼らの考える「規範的なゲイ」でないゲイを直接的に攻撃さえするようなケースというのを何度も見てきて、とても残念な気持ちになることも少なくなかったです。

僕には現在、付き合っている人がいませんので、そういう人に「いやいやでもね、世の中にはいろんな価値観の人がいて…」と言ったところで、「どうせあなたには大切な恋人がいないから何もわからないんだ!!」「あなたはそんな捻くれた考え方だから恋人がいないんだ!!」と一蹴されてしまう場合がほとんどで、話にならないことが多いため、ある時期からこの手の話にはもう口は出さないようにしています。感情的になって愛だの恋だのの哲学を語られてしまうと、科学や統計で測れる議論とは違ってもうこちらは何も言い返せなくなりますからね…。

これはカミングアウトにも同じことが言えて、「カミングアウトする/できる自由」を求める場合、それと同時に「カミングアウトしない自由」も自動的に保障されることを敢えて確認しておきたいと思います。

周囲にカミングアウトするのはどうも具合が悪い、と思う場面で、無理にしないこともその人に認められた権利です。
例えば年配者の中には、まだまだ同性愛を病気だと思っていて、科学的根拠のない「治療」を受けさせるような人もいるみたいで(しかもこうした治療は副作用のある薬物療法や電気療法が伴うためとても危険です)、そうした両親の元に置かれている未成年者には政治的な正しさからカミングアウトを推奨するよりも、まずは自分の身の安全を守るために黙っておき、早く自立して親元を離れることを勧める方が現実的で賢明でしょう。

大事なのは「この人にはカミングアウトしておきたい」「この場面ではしておいた方が自分もやりやすいし、何かと円滑に事が進む」と思ったときにカミングアウトできるかどうかであって、「善きゲイ=みんなにオープンなゲイ」というほど、単純なものではないと感じています。


ゲイとして熱心に政治活動をしている一部のゲイリブの方と、多くの若いノンポリティクスなゲイとの価値観とがあまりに乖離していると言われて久しく、以前からよく言われているのは「ノンポリの今風な若者ゲイたちはゲイリブと聞いただけでアレルギー反応が出る」ということですが、これは自分の周りのゲイ友の意見などを聞いているとまた少し実態は違うのかな、と最近感じます。

周りの人の意見を聞いていても、前出のような特定のライフスタイルを押し付けるパターンは別として、同性婚やそれに準じたパートナーシップ制度の制定に明確に反対している人なんてあまりいませんし、むしろ「あれば良いよね」と言ったスタンスの人の方が多数派。
セクシュアリティによる差別を禁止する法律や、教育現場でセクシュアリティについてよりきめ細やかな情報を提供して、イジメなどをなくして行こうという意見には、ノンポリのゲイの友人たちだってほとんどが賛成しています。

しかし、日本国内ではこうした運動がなかなか盛り上がらず、上記のような主張を第一に掲げて選挙などに出馬する候補者がなかなか当選しないことなどの根本的な原因は、主張内容の賛否云々よりも、アイデンティティの優先順位にあるのだと思います。

多くの若いノンポリティクスと見られているゲイたちは、本当に完全なるノンポリかと言われれば、実はそうでないパターンが多く、例えば商社や貿易会社に勤めている友人は為替相場には人一倍神経を尖らせていて、次の選挙や現政権を支持するかどうかは為替リスクに対する対応で判断していたり、介護や医療の職に従事する友人などは福祉政策や社会保障制度によって、金融機関に勤める友人は日銀の人事や規制緩和政策で決めていたりしているなど、選挙前にゲイばかりで居酒屋なんかに行くと、こんな感じでポロポロと意見を言う若いゲイの友達もけっこういたりします。
つまり彼らは、現段階ではゲイとしてのアイデンティティよりも職業人、社会人としてのアイデンティティの方が優先順位が高いと判断しているわけですね。

こうした自分の従事する職域の利害関係で投票する人はゲイの中にもけっこう多い印象ですが、その他にも日本の領土問題への強い懸念から、例えゲイなど性的少数者へ厳しい態度を取る人であっても、隣国へ強硬な態度を取る人を好む人もいます。

また、非正規雇用などで収入が安定せずに困っているゲイの人は、性的マイノリティへの施策をたくさん盛り込んだ候補者や政治家よりも、例え性的マイノリティへの政策が乏しくとも、失業対策や雇用促進政策を熱心に行っている候補者や政治家を支持するかもしれません。

ゲイリブの側が「ノンポリ系」「無関心層」と一方的に呼んでいる層の若い世代の中には、実はノンポリどころか政治や社会のことにかなり関心が高い人も少なくないのが僕の感じている印象です。

特に日本のように資本主義が高度に発達した自由な社会に暮らしていれば、人間一人が一つのアイデンティティのみに紐付けされている、ということはむしろ稀で、働いている会社の一員としての自分、働いている業界の一員としての自分、友達同士の関係の一員としての自分、地域社会の一員としての自分、家族の一員としての自分、ゲイとしての自分…一人の人間が実に多くのアイデンティティを複合的に組み合わせて生活していて、シーンによって自分の所属するアイデンティティに最適な振る舞いを無意識的に使い分けているのが多くの現代人の一般的なライフスタイルなのではないでしょうか。

なので、別にゲイリブに嫌悪感やアレルギー反応があるからこうした言説を支持しないのではなくて、今の若い世代のゲイは、ゲイということ以外にもかなり複合的に入り組んだアイデンティティを日常的に横断している生活をしていて、しかもその間をたった一日や一週間の間にもあちこち器用に行き来している。そういう毎日を過ごして行く中で、自ずと、今この瞬間、最も自分の中で優先順位が高いアイデンティティを無意識的に選び取って、そのアイデンティティに属する自分が最も大切にする価値観・評価軸からその時々の自分が心地よいと考えるライフスタイルを選択している、ということではないでしょうか。

つまりゲイリブ系の方々サイドから「ノンポリ」と呼ばれていたゲイたちにとっては、自分なりに今の自分が心地よい生活を無意識的にではあってもあらゆる評価軸からきちんと選び取っているにもかかわらず、「善きゲイとはこうあるべき」と言われてもしっくり来ない感じがして、牧村さんの記事にあるように、「ゲイだったらこの候補者を支持するよね?」とか「ゲイだったら当然同性のカップルと一対になって愛を語り合いたいよね」なんて言われても、常に「ゲイ」というアイデンティティがトップに来ているわけではないので的外れな感じがするという現象があちこちで起きているのではないでしょうか。

先日の都知事選でもまさに同じような現象が見られて、熱心に脱原発運動を行っていた人たちは、世論調査では原発依存を辞めるべきだと考えている人が7割もいるのに、脱原発を掲げた候補がなぜ落選したかわからない、と言っていて、中には不正選挙などの陰謀論などを言い出す人もいたみたいですが、これもまったく同じ仕組みの話で、世論が脱原発に寄っていることも事実ですが、先の都知事選の結果もまた、公明正大な事実だったことも間違いないでしょう。

多くの東京都民は原発にはできれば依存したくないけど、今は原発政策よりも都政を網羅的に把握している人で、中央政府とのパイプが太い人。原発政策よりも東京オリンピック、東京の地下鉄一元化、都営バスの24時間化…など、原発よりも関心のあるトピックスで自分の意見に近い人に投票したまでであって、原発政策のワンイシューのYes or Noを調べた世論調査と、向こう4年間の東京の進む道を決める今回の都知事選の結果が違ったものになるのは、至極当然のことです。


僕自身もつい熱が入って、「ゲイならさ~」とか、「男ならさ~」「日本人ならさ~」という言い方をしてしまうこともありますが、牧村さんの記事を読んでいろいろと気付いたことがありました。

29歳一発目のブログが、なんだか長ったらしくなってしまってすみません。(いつものことですが・・・)
もう今年で20代も最後の1年になりますが、少しでも他人の価値観に対して寛容になれればと思います。
また新しい1年も、そうぞよろしくお願いします。



他にも同性愛者の方が書いたノンアダルトブログはこちらから

↓「いいね!」と思った方は良ければクリックお願いします↓
にほんブログ村 恋愛ブログ 同性愛・ゲイ(ノンアダルト)へ

あとで読む

プロフィール

英司

Author:英司
いらっしゃいませ!英司と申します。中央線カルチャーが好きで、東京・高円寺に在住の会社員。日々感じたことから、少し役立つ(?)情報まで、いろいろ発信していければと思います。

検索

他にもブログがいっぱい!

月別アーカイブ

<
>
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 78
9 10 11 12 13 1415
16 17 18 19 20 2122
23 24 25 26 27 2829
30 31 - - - - -

全記事

Designed by 石津 花

全記事表示リンク

他のブロガーの記事